Nutanix CE に、Nutanix Files を展開してみます。まず、前提となるインフラと、Nutanix クラスタを準備します。
今回の内容です。
環境について
ソフトウェアなど
- Nutanix CE 2020.09.16(AHV のシングル ノード クラスタを構築ずみ)
- Nutanix Files 3.8.1.1(FSVM もシングルノード構成)
- Windows Server 2019 の Active Directory(構築ずみ)
- Windows 10 クライアント(AD 参加ずみ)
ネットワーク
今回は、下記 2つのネットワークを用意します。これらは、物理ネットワーク(物理スイッチ&ルータ)側でも設定しておく必要があります。
Nutanix Files のストレージ ネットワーク
- AHV や Nutanix CVM にとっては管理ネットワーク。Nutanix Files FSVM から CVM に接続する。
- VLAN 20。192.168.20.0/24
- トラブルシュートなどで FSVM に SSH 接続する場合は、(同ネットワークの踏み台や CVM などから)このネットワークのアドレス宛になる。
Nutanix Files のクライアント サイド ネットワーク
- Nutanix Files FSVM がクライアントや AD / DNS などと通信する。
- VLAN 31。192.168.31.0/24
- FSVM のデフォルト ゲートウェイは、このネットワークのゲートウェイになる。
Nutanix クラスタ / Nutanix Files 自体の設定には直接関係しませんが、ほかにも下記のネットワークを利用しています。
- クライアント ネットワーク: Nutanix Files の共有フォルダを利用する、Windows 10 のクライアントなどを接続する。
- 自宅ラボの管理ネットワーク: AD や DNS が接続される管理ネットワーク。192.168.10.0/24。
Nutanix クラスタでの準備
Nutanix クラスタの構築
Nutanix CE を用意しておきます。今回のハイパーバイザは、AHV です。構築方法は、下記が参考になります。
ネスト環境であれば、下記もどうぞ。
そして、UI は日本語にしてあります。
ネットワークの作成
Prism で、AHV のネットワーク(VLAN)を作成しておきます。Prism での IPAM 設定は不要です。
- nw-vlan-20: VLAN 20。Nutanix Files のストレージ ネットワーク用。
- nw-vlan-31: VLAN 31。Nutanix Files のクライアント サイド ネットワーク用。
iSCSI Data Services IP アドレスの設定
Nutanix Files では、Nutanix Volumes を利用するので、その前提となる iSCSI Data Services IP アドレスを設定しておきます。
「設定」→「クラスタ詳細」→「iSCSI データサービス IP」から設定できます。
Nutanix Files ソフトウェアのダウンロード
「設定」→「ソフトウェア アップグレード」→「File Server」で、ソフトウェアをダウンロードしておきます。
Active Directory(兼 DNS)の準備
Nutanix Files で SMB 対応のファイル サーバーを作成する際に、AD と DNS が必要になります。
今回はあらかじめ Windows Server 2019 で AD を構築してあります。
そして、FSVM からの AD 連携と、ファイル サービス管理のためのドメイン ユーザ アカウントとして afsadmin ユーザ(Administrators グループに所属)を作成しておきます。
NTP サーバの準備
時刻同期のための NTP サーバを用意しておきます。
今回は、これも AD サーバを兼用します。
構築編に続く。