Nutanix CE ce-2020.09.16-stable で ESXi を利用する場合、デフォルトでは VAAI NAS モジュールがインストールされないようです。そこで、CVM にある VAAI NAS の VIB ファイルを ESXi にインストールしてみます。
ちなみに、ESXi にはブロック ストレージむけの VAAI モジュールはデフォルトでインストールされていますが、VAAI NAS は含まれていません。しかし商用版 Nutanix の場合は、デフォルトで ESXi に NAS-VAAI がインストールされます。
Nutanix と VAAI の説明はこちら。
- Nutanixバイブル(日本語版) (アレイオフロード - VAAI)
今回の内容です。
今回の環境
ソフトウェアのバージョンは下記です。
- Nutanix CE ce-2020.09.16-stable
- vCenter Server 7.0 U1c 17327586
- ESXi 7.0 GA Build 15843807
今回の環境は、下記のようにネステッド環境として構築してあります。
ハイパーバイザーが ESXi であることは、Prism でも確認できます。
ESXi は、vCenter Server に登録ずみです。
Nutanix では、ストレージ コンテナ「ctr-21」を作成してあります。
そして ctr-21 は、すべての ESXi に共有データストアとしてマウントされています。
そして、Nutanix のストレージ コンテナによる NFS データストアのアドレスは、必ず 192.168.5.2 になります。
NFS データストアの「設定」→「ハードウェア アクセラレーション」で、ESXi ごとの VAAI の状態が確認できます。ハードウェア アクセラレーションは、「サポートされていません」だと無効(VAAI NAS 未インストール)で、「サポート対象」だと有効になっています。
この環境では、ESXi のうち 1台だけ VAAI NAS モジュールがインストールされていない状態のままにしてあります。
VAAI NAS の VIB ファイルの入手
CVM には、下記のように VAAI NAS モジュールの VIB ファイルが配置されています。
CVM$ ls /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/*/nfs-vaai-plugin.vib /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/5.5.0/nfs-vaai-plugin.vib /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/6.0.0/nfs-vaai-plugin.vib /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/6.5.0/nfs-vaai-plugin.vib /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/6.7.0/nfs-vaai-plugin.vib /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/7.0.0/nfs-vaai-plugin.vib
今回は、ESXi のバージョンにあわせて、7.0.0 の VIB を利用します。ESXi にインストールするため、ESXi の NFS データストアに転送しておきます。
- ESXi アドレス: 192.168.5.1
- ESXi のユーザ: root(デフォルト パスワードは nutanix/4u)
- コピー先データストアのパス: /vmfs/volumes/ctr-21/
ちなみに、Nutanix での ESXi は、必ず 192.168.5.1 のアドレスを持ちます。
CVM$ scp /home/nutanix/foundation/lib/driver/esx/vibs/7.0.0/nfs-vaai-plugin.vib root@192.168.5.1:/vmfs/volumes/ctr-21/
VIB ファイルのインストール
VAAI NAS の VIB は、各ホストでインストールが必要です。
ESXi には、vmk0 に設定されている管理 IP アドレスでログインします。もしくは、CVM からであれば、稼働している ESXi に 192.168.5.1 宛でログインできます。
CVM$ ssh root@192.168.5.1 ESXi# vmware -vl VMware ESXi 7.0.0 build-15843807 VMware ESXi 7.0 GA
VIB をインストールします。(正しくは、この時点で ESXi をメンテナンス モードにしておくべきですが、ラボでは非メンテナンス モードでインストールしてしまったりもします)
ESXi# esxcli software vib install -v /vmfs/volumes/ctr-21/nfs-vaai-plugin.vib Installation Result Message: The update completed successfully, but the system needs to be rebooted for the changes to be effective. Reboot Required: true VIBs Installed: Nutanix_bootbank_nfs-vaai-plugin_2.0-5dfbc550 VIBs Removed: VIBs Skipped:
この後は vSphere Client などで、(複数ノードのクラスタの場合は、必ず 1ノードずつで)ESXi を再起動します。これは、つぎのような順序になります。
- Prism のホーム画面で Data Resiliency Status が OK になっていることを確認
- CVM をシャットダウン
- ESXi をメンテナンスモードに移行
- (正しくはここで VIB のインストール)
- ESXi を再起動
- ESXi のメンテナンスモード解除
- CVM の起動
- 次のノードへ
複数ノードの Nutanix クラスタの場合は、上記の「1.」にあるように、必ずノードの停止前に Data Resiliency Status が OK になっていることを確認します。
もしくは、cluster stop で Nutanix クラスタ自体を停止すれば、すべての ESXi をまとめて再起動することもできます。
ノードの再起動が完了すると VAAI NAS が有効になり、ハードウェア アクセラレーションが「サポート対象」になります。
ESXi に SSH ログインすると、下記のように確認できます。
ESXi# vmkfstools -Ph /vmfs/volumes/ctr-21/ NFS-1.00 (Raw Major Version: 0) file system spanning 1 partitions. File system label (if any): ctr-21 Mode: public Capacity 547.4 GB, 546.4 GB available, file block size 4 KB, max supported file size 8388608 TB Disk Block Size: 512/512/0 UUID: 45e0f542-271fbe96-0000-000000000000 Partitions spanned (on "notDCS"): nfs:45e0f542-271fbe96 NAS VAAI Supported: YES Is Native Snapshot Capable: YES
以上。