Nutanix Meetup Online 22.05 にて、最近の Nutanix バイブルと、その日本語版について紹介しました。
今回の内容です。
- 現行の Nutanix Bible について
- 日本語版 Nutanix バイブル更新の様子
- Nutanix Bible の、これまでの大きなイベント
- 日本語版(翻訳)の最近のトレンド
- 直近の Nutanix バイブルの主な更新
- AOS 6.1 新機能関連の更新について
- 最後に
- 録画
現行の Nutanix Bible について
Nutanix バイブルは、2020年06月に v2.0 にリニューアルされました。
現在は、英語版の更新が日本語版にすぐ反映されるようになっています。
The Nutanix Bible v2.0
以前の Nutanix Bible はシングル ページでしたが、Nutanix Bible v2.0 は内容ごとにページが分割されています。このページは Markdown で記載されていて、Jekyll で HTML ファイルに変換されています。
The Nutanix Bible v2.0 Classic UI / Classic Edition
そして Nutanix Bible v2.0 でも、以前のようにシングル ページのエディションが公開されています。これは、Classic UI(もしくは Classic Edition)と呼ばれています。
内容は分割ページの v2.0 と同じで、体裁が異なるだけです。
そして、日本語版はこの Classic UI に合わせています。
Nutanix バイブル(日本語版)
日本語版の Nutanix バイブルは、v1.0 の頃のようなシングル ページ構成ですが、内容は は v2.0 の Classic UI に合わせてあります。そして英語版で更新があると、たいてい1週間以内くらいで日本語版に反映されます。
ちなみに、バイブル冒頭には、誤植報告・修正提案フォームもあります。
日本語版 Nutanix バイブル更新の様子
Nutanix Bible の実体は、下記のようになっています。
英語版
- GitHub Pages で公開されています。
- Jekyll(静的サイト ジェネレータ)で、Markdown → HTML の変換
日本語版
- 英語版とは別のプライベート GitHub リポジトリで管理されています。そして GitHub Pages ではなく Web サーバで公開されています。
- HTML は直接編集しています。これは、v2.0 以前から直接 HTML を書いていたため。v1.0 のころに近い、古めの HTML 構造(v2.0 とは別物でタグ構成は揃っていない)になっています。
毎日、英語版のダウンロードして差分チェックしていて、変更があったら日本語版へ反映します。
そして、差分確認しやすいように、基本的には下記のような工夫しています。(差分確認の様子はまた後で)
- 更新: 英語版といっしょに日本語版も更新しています。1つのコミット ログに、原文と日本語の HTML ファイルの両方を含まれます。
- 追記: まず英語版を日本語版に組込み、そのあとで翻訳します。たとえば、1つめのコミット ログには原文のHTMLの差分が含まれます。そして、2つめのコミット ログに英語 → 日本語の翻訳による差分が含まれます。
日本語版バイブル更新の様子(基本パターン)
具体的な日本語版更新の流れは、下記のようになっています。
英語版に更新があると、自動的に人間が手作業で日本語版 HTML を更新します。
(画像はイメージです)
新しい内容が英語版に追記された場合は、「まず英語版を日本語版に組込み、そのあとで翻訳」といった工夫をしていますが、下記のような感じで英語 / 日本語の差分を確認できます。
差分確認しやすくするために、英語版から日本語版への組み込みでは、テキストはそのまま、HTML タグと改行位置を、手作業で調整しています。
そのうえで、ひたすら日本語に翻訳します。ちなみに私は、VS Code で差分確認しながら編集しています。
Nutanix Bible の、これまでの大きなイベント
私が更新に参加してからの、Nutanix Bible の大きなイベントを紹介します。
2019/06 ~ 2019/07 日本語版 全面刷新
- しばらく更新が止まっており、1年分以上の差分を反映。
- Nutanix Bible はまだ v1.0。
- ここからGitHub管理開始。
- そのときに、全体的にHTMLタグと改行レベルで英語版に揃えた(diff しやすく)
- 2018年あたりからの差分&不足を全部反映。
2020/06 英語版 v2.0 リリース
- Nutanix Bible v2.0 is live!
- 12,000行の HTML から、Jekyll での Markdown → HTML 生成 になった。
- 英語版がBookが再編されて、ページ分割された。
2020/07 英語版 v2.0 Classic UI リリース → 日本語版の v2.0 対応
- 英語版 v2.0 で、シングルページ バージョンが Classic UI として生成されるようになった。
- 日本語版は、シングルページのまま Book 構成は 2.0 に準拠させた。
- 英語版は全体更新されて diff 不可能になったので、目確認で日本語版を並び替え
- 英語版 Git ログが入手できたので更新(2018/07~最新)が反映されているか確認
- ここから HTML タグ レベルでの完全一致は諦めた。
日本語版(翻訳)の最近のトレンド
- 現在 13200行。長すぎタグが深すぎて項目追記がつらい。
- 意外とBook冒頭の文が漏れている(v2.0でさり気なく追記されていた部分)
- 困ったら、アルファベットをそのままカタカナで。(レジリエントキャパシティ など)
- バイブル内のリンク切れどうしようか・・・
- 見出しのアンカーは自動生成。
- 実は見出しのアンカーは自動生成なので、日本語版バイブルに参照リンクを張る場合は( https://nutanixbible.jp/ )が無難。
直近の Nutanix バイブルの主な更新
2022年に入ってからの、Nutanix バイブルの主な更新です。日付は英語版バイブルの Change Log のものです。
2021/11/19: Change Logs と PDF 版 の追加
いきなり 2022年より前ですが・・・
- リリースノートができた(英語版のみ)
- PDF 版がダウンロード可能になった(英語版のみ)
2022/03/16: Book of Network Services の更新
更新というか刷新。もともとは Nutanix Flow マイクロセグメンテーションだけだったのですが、下記の3つが更新 / 追記されました。
- Flow Network Security
- 旧 Flow。マイクロセグメンテーション (分散ファイアウォール)
- 名前の書き換えだけでなく、けっこう追記あり。
- 翻訳はできるだけ Prism Central UI 表記にあわせた(つもり)
- Security Central
- Flow Virtual Networking
- 新機能。VPC や Geneve オーバーレイ ネットワーク
2022/03/18: Stargate の I/O ロジックの説明 更新
例1: Intel Optane のような新しめのデバイスについての更新
OpLogは、ハイブリッドクラスタでは常にSSD上にあり、Optane+NVMeのクラスタではOptaneとNVMe SSDの両方に存在します。
例2: コアな仕様についての更新
AOS 5.19より前は、OpLogのサイズはvDiskごとに6GBに制限されていました。 AOS 5.19以降は、個々のvDiskのOpLogは、IOパターンの要求に従ってノードごとに使用されるOpLogインデックスメモリの上限まで、6GBを超えて拡張し続けることができます。この設計上の決定により、I/Oの観点でアクティブなvDiskが少ない仮想マシンがある場合、アクティブでない他のvdiskを費やして、必要に応じてOpLogを拡張できるという柔軟性が得られます。
AOS 5.20 (LTS)時点では、オールフラッシュクラスタ上に新規作成されるコンテナでは、AESがデフォルトで有効になります。
2022/04/08: 新機能の追記
- vDisk シャーディング 追記
- vDisk を分けられなくても I/O 性能改善
2022/04/08: 古い機能の記載削除
- Cloud Connect(パブリック クラウドへのバックアップ機能)記載削除
2022/04/08: プロダクト改称の対応
- Nutanix Clusters → Nutanix Cloud Clusters(NC2)の更新
- NC2 は改称だけでなく追記もあり
- 図版も更新された
2022/04/15: Resilient Capacity 追記
- 障害時にリビルドできる分を考慮した上で、クラスタで利用可能な容量。
- Resilient Capacity の翻訳名がなんともしがたく、そのままカタカナで「レジリエントキャパシティー」
- Resilient Capacity の容量計算の例がちょっと疑問(KB 計算式と比較すると)。原文ベースで翻訳したが、そのうち検証したい・・・
2022/05/03: Book of Cloud Native Services の追記
NKEと、Kubernetes ディストリビューションのサポートについて追記された。
- Nutanix Kubernetes Engine(NKE)
- 旧 Karbon。
- Karbon としては NKE に改称されただけだが、 バイブルの Karbon の説明は、そもそも殆どが仕組みの異なる Acropolis Container Services のままだった。
- Nutanix とパートナー Kubernetes ディストリビューション
- Red Hat OpenShift などの認定について
- あと Kubernetes 概要の説明
2022/05/09: AHV 仮想マシン 新機能などの解説 追記
- AHV の 仮想マシン テンプレート
- AOS 6.1 新機能。
- Prism Central で確認すると、新しい API を使用している?(/api/vmm/v4.0.a1/templates)
- AHV でのメモリ オーバーコミット
- AHV の 仮想マシン アフィニティ ポリシー
AOS 6.1 新機能関連の更新について
今回の Nutanix Meetup のテーマである AOS 6.1 新機能関連についても、徐々に更新されています。
新機能については、見出し単位で追加されることもあれば、さりげなく1文が更新されたりすることもあります。
たとえば下記のように 1文が追記されたりします。
自律型エクステントストア(AES:Autonomous Extent Store)
AOS 6.1(STS)以降で要件が満たされている場合には、ハイブリッド(SSD + HDD)クラスタで作成された新規コンテナではAESが有効になります。
単一vDiskのシャーディング
AOS 6.1以降では、vDiskコントローラーが機能拡張され、それぞれが自身のスレッドを持つコントローラーのシャードを作成することで、単一のvDiskへの要求が、現在では複数のvDiskコントローラーに分散されるようになりました。
Flow Virtual Networking
PC.2022.1とAOS 6.1から、VPCでは最大2つの外部ネットワークが選択できるようになりました。
前述の「AHV の 仮想マシン テンプレート」はまったくの新機能なので、当然ながら項目自体が追加されています。
最後に
Nutanix バイブルだけでなく、正しくは、リリースノート、ドキュメント、KB あたりを参照とよいと思います。
録画
セッションの録画が公開されました。
以上。