Nutanix CE の Acropolis Block Services(ABS)ボリュームが、Oracle Database での利用も想定しているようです。ためしに、2台の Oracle Database サーバで、ABS ボリュームを利用したデータ移行をしてみようと思います。
今回のサーバ構成
Oracle DB のサーバは 2台用意します。
移行元: Oracle DB Server ‐ A(以下 ora-sv-a)
- Nutanix AHV の VM
- Nutanix CE 用の物理サーバがないので ESXi での Nested Nutanix CE を利用。
移行先: Oracle DB Server - A(以下 ora-sv-b)
- Nutanix Cluster の外部にあるサーバ役。
- 今回は ESXi 上の VM として構築。
移行元 / 移行先の OS / Oracle のソフトウェア構成は合わせてあります。
- OS: Oracle Linux 7
- Oracle Database 12c R1
- Oracle Database は、シングル インスタンス(シングルノード)。
- Oracle Grid Infrastructure あり。Oracle ASM、Oracle Restart 構成。
データ移行のシナリオ
下記のような前提で、データ移行してみます。
- ora-sv-a にある Oracle DB 「oradba」のデータを、ora-sv-b の Oracle DB 「oradbb」に移行する。Oracle DB は移行先で作成ずみ。
- DB 全体ではなく一部の表領域のみ移行してみる。
- Oracle Database のストレージは、Oracle ASM を使用する。Oracle のデータファイルは、ASM Disk Group に格納している。
- 移行対象の表領域は、独立した Oracle ASM Disk Group に配置する。
Nutanix ABS の VG 構成
- 移行対象となる Oracle DB のデータ配置領域として Nutanix ABS の ボリューム グループ(VG)を用意する。
- ora-sv-a 用に VG を 1つ作成して、ボリュームは2つ含める。
- ボリューム 1つめは、ASM Diskとして使用する。
- ボリューム 2つめは、Oracle TTS のダンプファイルを配置しておく。
※このボリュームは必須ではない。 - ora-sv-b に接続する VG は、移行手順のなかで ora-sv-a の VG をクローンして作成する。
Nutanix ABS ボリューム のサーバとの接続
移行元、移行先の ABS ボリュームの接続方法は、あえて別の方法にします。
- 移行元の ora-sv-a では、Nutanix AHV の機能で、VM へ直接接続する。AHV(KVM)の VM から、 QEMU の iSCSI イニシエータで接続され、ゲスト OS の Linux からは 直接接続された SCSI ディスクのように見える。
- 移行先の ora-sv-b では、Linux OS がもつ iSCSI イニシエータで接続する。
今回は Oracle ASM を使用します。
移行先サーバにボリュームを接続しただけでは Oracle Database が表領域として認識しないので、Oracle TTS(Transportable Tablespace)という機能を使用します。
移行先サーバには、下記のように移行ます。
- ora-sv-a で使用していた Nutanix VG を Clone して ora-sv-b に接続する。
- ASM で管理されているデータを、Oracleトランスポータブル表領域(TTS)として移行先の Oracle Database にインポートする。
つづく。